タグで絞り込む
キーワードから探す
【学童の安全対策】秋の外遊びや遠足で気をつけたいポイント
学童
公立学童
民間学童
放課後児童支援員
あそび
実践事例
秋は、外遊びや遠足にぴったりの季節。暑さが和らいだ柔らかな日差しの中で、こどもたちは思いきり体を動かし、自然とのふれあいを楽しむことができます。
公園では鬼ごっこやドッジボール、虫とりや木の実ひろいに夢中になる姿が見られ、近隣の山や公園へ遠足にいけば紅葉の色づきを観察できます。また、落ち葉を使った工作を楽しんだりと、季節ならではの遊びも広がりますね。学童保育所によっては「収穫体験」や「自然遊び」など、地域の特色を活かした行事を企画する施設も多く、秋はこどもたちにとって学びと発見の多い時期となるでしょう。
そんな秋の外遊びや遠足は、心身のリフレッシュや社会性・感受性を育む絶好の機会ですが、実は秋ならではのリスクも潜んでいます。
本コラムでは、学童における秋の遠足・外遊びで気をつけたいポイントを、具体的な事例を交えながら詳しくまとめていきます。
1.秋の外遊びに潜むリスクとは?
涼しくて心地の良い季節の外出に、危険なんてあるの?と思う方もいるかもしれませんが、実は秋の遠足や外遊びには以下のようなリスクが隠れています。
(1)気温・気候の変化による体調不良
秋は日中と朝夕の気温差が大きく、薄着で出かけて体が冷えてしまう子や、運動後に汗をかいたまま風にあたって風邪をひいてしまうケースが目立ちます。
また、夏の暑さから秋の涼しさに体が適応しようとして自律神経が乱れている子もいます(寒暖差の大きさだけでなく、台風や低気圧などによる気圧の上下も自律神経の乱れに影響します)。そのような状況下でこども達が全力で外遊びをしてしまうと、一時的に気分が上がってもその後ドッと疲れが出る…といった危険性があります。こどもも大人も、体調を崩しやすかったり気分の上下に悩まされたりすることがあるため、十分に注意が必要です。
(2)秋ならではの環境による怪我
秋の魅力ともいえる道端の落ち葉やドングリ。目で見て感じられる秋らしさに、こども達も大喜びですよね。しかし、それらに足を滑らせて怪我をする事例も発生しています。特に山道や公園などでは地面がぬかるんでいる場合もあり、転倒・怪我のリスクが高まります。
また、秋は夕暮れが早くなる季節でもあり、帰り道の視界が悪くなることで、交通事故につながったり、迷子になりやすかったりする可能性も考えられます。
(3)虫刺され・植物アレルギー
スズメバチやブヨなど、秋に活動が活発になる虫も多く、刺されるとアナフィラキシーショックを起こす危険もあります。
また、ヨモギやブタクサ、イネ科の植物などの花粉が飛散する時期でもあ るので、花粉症やアレルギーを持つ子への配慮も必要です。
(4)食中毒・衛生面のトラブル
外遊びや遠足の際、お弁当やおやつを長時間持ち運んで屋外で食べる場合は注意が必要です。実は、気温が低くても菌の繁殖は起こるといわれていますが、涼しい秋の季節は夏に比べて食中毒対策を疎かにしがちです。保冷剤やクーラーボックスの活用や清潔な手指管理(手洗い・消毒など)を徹底することで、腹痛や嘔吐などの食中毒につながるリスクを取り除いていきましょう。

2.学童出発前にやっておきたい「安全準備」とは?
(1)目的地の下見
当日引率するスタッフが、実地踏査として事前に外出先を訪れ、危険箇所や避難経路、トイレの位置、日陰や水道の場所などを確認しておくことが大切です。現地スタッフの方にお話を聞いておいたり、自治体や公園が公開している「防災マップ」や「危険箇所情報」を調べておいたりすることも参考になります。
また、こどもたちの活動エリアを明確に区切り「ここより先は行かないよ」という線引きを引率のスタッフ・こども達全員の共通認識にしておくと、大きな事故防止につながります。
(2)健康チェックと持ち物確認
出発前には体温・体調を確認し、普段と様子が違う子がいないかチェックします。喘息やアレルギーを持つ子には、事前に保護者と情報を共有し、必要な薬(吸入器、エピペンなど)を持参できるようにします。
また、持ち物はこどもたちや家庭任せにせず、職員側でもチェックリストを用意しておくと親切です。
(例)
〈外出時持ち物チェックリスト〉
• 水筒
• ハンカチ・ティッシュ
• タオル
• 帽子
• マスク
• 絆創膏
• 上着(寒暖差対策)
• トランシーバー(携帯でも可。職員間で連絡が取り合える手段を用意する)
• 消毒スプレー/除菌シート
(3)スタッフの担当配置を決める
人数が多い学童では、こどもたちを小グループに分け、それぞれに担当指導員をつけて見守りをすることが最も安全な動きになります。しかし、学童保育所は保育園と比べて人員に余裕がない場合が多いと言われていますので、そこまでの配置ができない施設もあることでしょう。
その場合は、こどもたちに色付き帽子やビブスなどわかりやすく目印になるものを着用してもらう、集合時に人数確認を複数人で行うなど、工夫を凝らしながら安全な外出・移動を心がけましょう。
また、集団行動が苦手な子や、興味関心が強い子は、つい列から離れてしまうことがあります。特に多くの団体が集まる行楽地では、ほんの数秒で見失ってしまうこともありますので、外出時は発達特性のある子などへの個別配慮も欠かせません。「誰が誰を見るのか」が明確であれば、見落としや責任のあいまいさを防げます。
(4)緊急時の対応体制を整えておく
緊急連絡網を確認し、万が一の事故や迷子発生時の対応フローを職員全員で共有しておくことが重要です。職員間や施設、保護者との連携・連絡フローだけでなく、救急搬送が必要な場合に備えて近隣の病院の場所や連絡先を控えておくと安心です。また、現場リーダー・連絡担当・付き添い担当など役割分担を明確にしておけば、緊急時に焦ることなく迅速な対応ができます。

3.当日の安全管理ポイント
(1)「見ていない時間」をつくらない
学童の外遊びや遠足時の事故・トラブルが発生する時は、「見ているつもりで見ていなかった」というケースが多いです。遊具や水辺、広場では、指導員が死角をつくらないよう、見守る立ち位置を工夫しましょう。
また、遊具遊びでは「一度に遊べる人数」や「順番のルール」、「危険な使い方をしない」などを明確にしてから遊び始めることで、トラブルを防げます。
(2)こまめな休憩と水分補給
こどもたちは遊びに夢中になると、体調の変化になかなか気づかないもの…。暑さが厳しい夏とは違って楽しく遊び続けられてしまいますが、一定時間ごとに休憩を設け、「全員で水を飲む」タイミングを意識的に作りましょう。帽子を脱いで汗を拭く、上着を調整するなど、温度管理を促す声かけも欠かせません。また、こまめな視診も欠かさず、顔色や行動の変化があれば早めに対応できるようにしておくと良いです。
(3)「もしも」に備える声かけと見守り
虫が出たとき、転んだとき、迷子になったときなど、トラブルが起きたときの行動をこども自身にも事前に伝えておくと安心です。「困ったら近くの先生を呼ぶ」や「グループの旗のところに戻る」など、具体的なルールを事前に共有しておきましょう。また、発達特性のある子には、写真や地図を見せて「どんな場所か」や「どんな行動をすると安全か」を予習しておくと、落ち着いて行動できるかもしれません。
(4)帰り道の安全確保
夕方の帰り道は交通量が増え、視界も悪くなります。道路横断時は、先頭と最後尾に大人を配置し、信号のタイミングを全員で合わせます。施設へ戻る時間が迫ってくると、焦る気持ちが出てくるかもしれませんが、道路横断時は「無理はしない」と「迷ったら渡らない」が鉄則です。
こどもたちにも「走らない」や「横に広がらない」など、出発前に繰り返し伝えておくことがポイントです。
4.施設に戻ってきた後の動き
(1)健康チェックと保護者への報告
学童へ無事に到着した後は体調の変化がないか全員を確認し、転倒や虫刺されなどの軽いけがも見落とさずに保護者へ報告できると安心です。「楽しかった」だけで終わらせず、どんな安全面での気づきがあったかを共有することが信頼につながりますよ。
(2)スタッフ間での振り返り
活動の振り返りでは、「どこにリスクがあったか」や「改善すべき点はどこか」を具体的に話し合いましょう。例えば、
• 集合時の点呼に時間がかかった。
• 水筒を忘れる子が多かった。
• 日陰スペースが少なく、熱中症リスクが高かった。
など、スタッフから出てきた意見を記録に残しておき、「次回の安全計画」に活かすことが事故防止の最大の方法です。本コラムでは秋の外遊びや遠足に関して広く関わる注意事項を挙げてきましたが、各施設の現場で話し合いながら作りあげられる安全マニュアルは、より具体的で個別最適化された実践的なものになるはずです。
5.「安全」と「自由」のバランスをとるために
学童の外遊びや遠足では、安全を守ることが最優先。しかし、それと同時に「こどもの主体性」や「挑戦する力」を育むことも忘れてはなりません。安全を理由に活動を制限しすぎると、こどもたちの好奇心や自立心を損なってしまい、せっかくの刺激的で楽しい機会を奪ってしまうことにもなりかねません。
大切なのは、「危ないことをすべて排除する」ことではなく、「危険を予測し、安全に挑戦できる環境を整える」ことです。たとえば、こども達が大好きな「木登り」などは、「危ないからだめ」と全面的に禁止するのではなく、「登っていい木を決める」や「職員が近くで見守る」など、リスクを管理しながら体験を守る工夫が考えられます。
まとめ
秋の外遊びや遠足を安全に行うためには、スタッフ一人ひとりの注意や経験だけに頼らず、組織としての安全管理体制を整えることが必要不可欠ということがわかりました。
①事前準備(下見・健康確認・体制づくり)
②当日対応(見守り・休憩・声かけ)
③事後の振り返り(記録・共有・改善)
この3ステップを繰り返すことで、その学童ならではの安全マニュアルが作り上げられていき、こどもたちが安心して挑戦できる環境につながっていきます。
秋の自然の中で、こどもたちは五感を使い、仲間と関わり、さまざまな「発見」を経験します。その時間を事故なく安心して過ごせるよう細心の注意を払いながら、こどもたちと一緒に秋の季節を楽しんでいきましょう。

career consultant
キャリアアドバイザーに
直接相談しませんか?
多数の求人の特徴や情報を熟知している担当者に直接ご相談していただくことが可能です!
お気軽にご利用ください。
