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【学童指導員の人間関係】チーム運営をスムーズにする4つのコツとは?
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学童クラブの現場は、毎日がチーム戦。近年は学童クラブの利用人数が急増しており、数十人ないし百人以上のこどもたちを安心安全な環境で見守るためには、チームとして学童スタッフが連携することは必須といえるからです。また、こどもたち一人ひとりと丁寧に関わるためにも、スタッフ同士の協力と信頼が欠かせません。
しかし実際の学童現場では「価値観や指導方針が合わない」や「あの人とは話しにくい」、「忙しすぎてチームとしてなかなか意思疎通がうまく出来ていない」──そんな声もよく聞かれます。
スタッフ同士の人間関係がぎくしゃくすると、その雰囲気はすぐにこどもたちにも伝わります。逆に、チームの空気がよいと、自然とこどもたちの笑顔も増えていくものです。円滑にチーム運営をしていけることは、安心安全で過ごしやすい学童を作るために必要不可欠な要素なのです。
今回は、学童現場でチーム運営をスムーズにするための4つのコツをご紹介していきます。
《コツ1》 「価値観の違い」は当たり前と思おう!
学童の現場では、年齢もバックグラウンドもバラバラなスタッフが一緒に働くことが多いですよね。保育園出身のスタッフ、元教員のスタッフ、放課後デイサービスで勤務していたスタッフ、地域で暮らす子育て経験者など、それぞれの経歴や知識に基づいて作られている「教育観」や「働き方の感覚」は異なっているのが当然です。
たとえば、
・「可能な限り口を出さずに見守り、こどもたちの”自分で考える力”や”困難を乗り越える力”を育てたい」という考え方のスタッフ。
・「できるだけこどもが失敗したり傷付いたりしないように、危険なことは事前に止めてあげたい」と安全重視タイプのスタッフ。
この二人のスタッフが同じ支援現場に立つと、こどもへの向き合い方についての意見がぶつかってしまうのは想像に易いです。
ここで大切なのは、「意見が違う=どちらかが間違っている」のではなく、「意見が違う=多様な視点がある」と捉えることです。まず「価値観が違うのが当たり前」と思えるだけで、対話のスタート地点が穏やかになります。
話し合いのときにおすすめなのは、「正しさ」ではなく「感じ方」をベースに話すこと。「あなた」を主語にして「あなたのやり方は間違っている」や「あなたはもっとこうしたらいいのに」と伝えるのは攻撃的になりやすく、トラブルの元になります。「私」を主語にして「私はこう思う」や「私はこうしたいんだ」と伝えることでグッと対話がしやすくなります(=YouメッセージからIメッセージへの変換)。
意見の違いを「ぶつかる」ものではなく視野や選択肢が「広がる」ものとして扱うと、チーム全体の空気がどんどん柔らかくなっていきます。こどもたちにとっても、画一的な雰囲気の学童より、様々な大人と触れ合える多様性のある学童現場の方が有意義で面白いものなはずです。
《コツ2》「報連相」だけでなく「共有」を意識しよう!
チーム運営がスムーズにいっている学童現場では、「情報の流れ」がしっかりと整っています。一方でトラブルが多い学童現場では、ほとんどが「聞いてない」や「知らなかった」、「伝わってない」という伝達・共有ミスがたくさん起きています。
報告・連絡・相談──いわゆる「報連相」は言わずもがな大切なのですが、学童現場の場合、それだけでは足りません。大事なのは、「共有」を重要視する感覚。つまり「情報を、スタッフ全員が同じ温度で理解しているか」という点です。
たとえば、
・今日のトラブルを「報告」だけで終わらせるのではなく、「次にどう活かすか」を一緒に考える。
・イベントの準備を「担当者だけが知っている状態」にせず、「他の人も概要を把握しておく」ようにする。
・気になる子や保護者の様子を、まだ何も起こっていないから「報告しない」のではなく、早めに現状や自分の感覚を「共有」しておく。
といった具合です。
このような「共有のクセ」を日頃から意識することで、誰かが急に休んでもチーム全体でサポートしながらスムーズに動けるようになりますし、支援の質も向上します。
職員会議やミーティングを頻繁に開くのが難しかったり、全体の場でいうほどの情報じゃないかな…と悩んだりする場合もあるかもしれませんが、共有の場は何も「会議だけ」ではありません。 こどもたちが帰ったあとのちょっとした立ち話や休憩中などにも、小さな共有のチャンスはたくさん転がっています。忙しいからこそ、少しでも色々な場で会話をする時間を確保すること。それが、スタッフ間における信頼の土台になります。
《コツ3》「ありがとう」は惜しまず伝えよう!
人間関係を良くする魔法の言葉といえば、やっぱり「ありがとう」。そう頭ではわかっていても、現場の忙しさに追われるとつい忘れがちですよね。
でも、実はチームの雰囲気を決めるのは「ありがとう」の量です。
こども対応でフォローしてもらった時、資料をまとめてくれた時、掃除を率先してやってくれた時──小さなことでも「ありがとう」と言葉にするだけで、相手は「自分の行動が認められている」と感じます。 反対に、どれだけ努力しても「何も言われない」状態が続くと、人はだんだん疲れてしまいます。
感謝は、相手を評価する言葉ではなく「あなたの存在を大切に思っているよ」というサイン。それをチーム全体で伝え合える雰囲気があると、学童現場はあたたかく働きやすい環境に整っていきます。
感謝を伝え合うための具体的なアイディアとしては「ありがとう」をミーティングの習慣にすることなどが挙げられます。会議の最後に「今日、感謝を伝えたい人いますか?」と一言添えてみるだけでも、空気が変わってくるかもしれません。学童の帰りの会などで、こどもたちと一緒にやってみても良いですね。相手のいいところを見つけ、伝えようとする癖ができますよ。
《コツ4》「完璧」を追い求めないこと!
チームの連携がうまくいかない時や、仲間が自分の思った通りの動きをしてくれないとき、「もっとしっかりしてほしい」や「どうしてこんなことも出来ないの?」という思いが強くなることがあります。でも、実はそれは自分自身の価値観によって生み出されている感情で、それを他人に求めることは「完璧主義」といえるかもしれません。過度に完璧を求めると、チームのバランスを崩してしまうこともあるので注意が必要です。
学童クラブは人と人が関わる職場のため、こども同士のケンカ、保護者対応、急なスタッフの欠勤など予期せぬトラブルがたくさん起きます。どんなに時間をかけて準備をしても、すべてが予定通りに進む日はほとんどありません。
だからこそ、「完璧にやること」よりも「助け合いながら進めること」を大事にできると気持ちが楽になります。
できないことに目を向けるよりもできたことを確認するようにしてみたり、トラブルやミスがあったときは「なぜそんなミスをしたの?」と問い詰めるのではなく「どうすれば次うまくいくかな?」と一緒に考えてみたり…。こうしたやり取りの積み重ねが、チームの「柔軟さ」と「信頼関係」を育てていきます。
完璧さより、安心感。厳しさよりも、支え合い。そんな意識を共有できているチームは、困難な状況でもしなやかに協力しながら対応していくことができます。
まとめ
学童のチーム運営をスムーズにするための4つのコツをまとめると、
1. 価値観の違いを前提にすること。
2. 報連相と同時に共有を意識すること。
3. 「ありがとう」を惜しまないこと。
4. 完璧を追い求めないこと。
となります。
どれも特別なスキルや考え方ではなく、人と人が関わるうえで大切な基本的なこと。でも全てに取り組むのは意外にも難しいものです。これらを毎日丁寧に積み重ねていくことができれば、学童のチーム力は大きく向上し、現場を支える力となります。
チームは「誰がいるか」ではなく、「どんな関係性でいるか」で強さが決まります。お互いのことを尊重し、感謝し、助け合う…。そんなスタッフ一人ひとりの姿勢と関係性が、こどもたちにとっても心地よい空間をつくっていくのです。
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