【行事シーズン到来】学童だからできる!「他人と比べない」イベントとは?

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 涼しくて過ごしやすい秋の季節から年末・冬休みにかけての時期は、最高の行事シーズン!学校でも学童でもさまざまなイベントが開催されます。運動会や遠足、作品展、ハロウィンやクリスマスなど、数え上げればキリが無いほどです。
 多くのこどもたちや大人は「イベントがたくさんで、楽しい季節がやって来た!」と感じる一方で、どこか落ち着かずソワソワしていたり、少し緊張していたりする子も、ちらほらと見受けられます
 それは様々なイベントが始まることで、どうしても「他の子と比べられる場面」が増えるからかもしれません。

 たとえば「足が速い」や「絵が上手」、「ダンスをすぐ覚えられる」や「友だちと協力できる」など、日常の中ではそこまで意識されない差が、イベントになると急に強調されることがありますよね。そうなると、こどもたちは「失敗しないように」や「上手にやらないと」と考えるようになり、知らず知らずのうちにプレッシャーを抱えてしまう…というわけです。

 本当ならこどもたちの心が踊るような楽しいイベントなはずなのに、「できるかな」や「間違えないかな」という不安が先に立ってしまっては勿体ないと思いませんか?

 学童クラブではそんなこどもたちの不安や緊張を少しでも軽減するために、イベントのあり方を少し工夫することができます。なぜならば、学童クラブは学力や運動能力を伸ばすための場所ではなく、必ずしも評価や点数や順位をつけるイベントにする必要がないからです。「頑張りや優劣を競う場所」ではなく「ありのままの自分で安心して過ごせる場所」。それが学童クラブの一番の強みです。
 この特性を活かすことで、学童クラブではこどもたちが周りと比べられる不安を感じることなく、心から楽しめる「他人と比べないイベント」をつくることができるのです。

 本コラムでは学童だからこそ実現できる「他人と比べないイベント」についてまとめていきます。


1.まずは「他人と比べないイベント」を作る意識を持とう!

 学童クラブにおけるイベントづくりの魅力は、こどもたちの「やりたい」や「楽しそう」という気持ちを中心に組み立てられることです。全員が同じものを完成させる必要はなく、決められた型に沿わせる必要もありません。こどもたち一人ひとりが、自分のペースで、自分に合ったやり方を選べる自由があります。この自由度は、こどもが息をしやすい環境を生み出し、「自分らしくていいんだ」という安心感につながります

 同じものを同じように作らなくていい。上手さを競う必要もない。むしろ、どんな工夫をしたのか、どんな気持ちで作ったのか。そんなプロセスに寄り添って主体性を大切にできるのが、学童クラブという小さな居場所の強みなのです。

 無理やり全てのイベントから競技性をなくす必要はありませんが、学童のスタッフがイベントを企画・運営する際に「他者との比較につながる要素がないか確認する」という意識を持っていれば、こどもたちが安心して参加できる空気が自然と育まれていきます。結果そのものより、そこへ向かう道のりや小さな気づきを大切にすることで、こどもたちの表情も積極性も良い方向に変わっていくはずです。

2.「他人と比べないイベント」の実践例

 ここからは学童クラブで実際に取り入れやすく、かつ自然に「比べない」雰囲気をつくることができるイベントの例を2つ紹介します。どちらも、こどもたちが自分のペースで参加でき、成果よりも体験そのものが大切にされるイベントです。ぜひ施設の雰囲気や様子に応じてアレンジしながら活用してみてください。

①みんながアーティスト!自由作品展

 「芸術の秋」の時期におすすめしたいイベントが「自由作品展」です。学校の展示ではどうしても決められたテーマ・技法のなかで“上手い・下手”が話題になりがちですが、学童クラブではあえて細かい指示をださず「好きなものを好きな方法で作る」というスタイルにすることで、一気に自由度が広がります。

 粘土で細かいものを作る子、クレヨンや絵具で自由に絵を描く子に、アイロンビーズやプラ板を作ってみる子など、表現の幅は無限大!同じ土俵で作っていないため、自然と他人と比較する意識が消えていきます。

 もし、「好きなもの」というテーマが広すぎて「何を作ったらいいか分からない」と悩んでしまう子が多い場合には「秋」や「冬」などの季節をテーマにしたり「好きな〇〇(食べ物、動物、場所)」などのテーマにしたりと、少し絞ってあげても良いでしょう。

②協力して作ろう!段ボールの世界

 個人でも集団でも楽しめるのが段ボール工作です。例えば「みんなで夢の街を作ろう」などのテーマをもとに、協力して一つのものを作ってみるのも良いでしょう。ロボットが暮らすような未来都市を想像して作ってもよし、海底やジャングルを作ってもよし、空に浮かぶ街を作ってもよし。誰か1人の上手さに依存することなく、みんなの個性や好きなものが合わさって一つの世界を作り上げていく体験は、とても魅力的で面白いもの。
 また、どんなものを作りたいか話し合う中で、主体性や創造力も育まれていきます。

 もし一つのものを協力して作るのが難しい場合は、作業自体は少人数のグループにしたり、個人ワークにしたりして、最後にお互いの段ボール作品を見たり触ったりして楽しめる環境を作ってみると良いでしょう。ただし、その際も「相手や他チームの方が自分よりも上手にできている…」という比較をして落ち込まないよう、十分注意をする必要があります。

3. 「比べない学童」の土壌づくりとは?

 上記のような、こどもたちが安心して楽しめるイベントを企画するうえで、他人と比べない文化を学童クラブ全体に作っておくこと、とりわけスタッフの関わり方・声かけ内容を普段から意識しておくことはとても大切です。

 まず大切にしたいのが、「結果だけを褒めすぎない」という意識です。「上手だね」や「早いね」という言葉が続くと、こどもは無意識にほかの子との比較を意識してしまったり褒められることを目的に頑張るようになったりします。それよりも「その色いいね」や「その工夫すてきだね」といったプロセスを大切にする声かけを増やしてあげると、こどもたちは自分のペースを尊重されていると感じ、安心して挑戦できるようになります。
 なお、他人との比較表現は避けたいところですが、「昨日より丁寧にやっているね」などのような「過去の自分との比較」はOKです!積極的に成長しているところを見つけたらどんどん言葉にして伝えましょう。学童クラブはこどもたちとの距離が近く、日常の小さな変化にも気づける場所だからこそ、スタッフの言葉がけや姿勢がこどもに与える影響もとても大きくなります。

 また、イベントの構想段階からこどもたちを巻き込んでいくことで、こどもたちの当事者意識が生まれます。道具を選ぶ、飾りを作る、配置を考える…どんなに小さな役割でも「自分が参加している」や「自分が誰かに必要とされている」、「自分が役に立っている」という実感は、こどもたちの自信につながります。こども会議やこども実行委員などの仕組みづくりを運営に取り入れてみると、こどもの権利(こどもの意見表明権など)を尊重することにも繋がりますよ。

 そして何より大切なのは、大人自身が「比較の視点」から少し離れることです。他の学童クラブがどんなイベントをしているか…。SNSで見かけるような派手で面白そうな取り組みと比べてどうか…。あのスタッフはこんな企画をしていたけど、自分はどうか…。あの子はこんなことが得意だけれど、この子はこれが苦手だから…。
 様々なことが気になるかもしれませんが、学童クラブの1番の目的は「こどもたちが安心して過ごせること」です。目の前にいるこどもたち一人ひとりと丁寧に向き合って、スタッフ全員が「比べない意識」を持つことで、学童クラブ全体の雰囲気が穏やかで過ごしやすいものになっていきますよ。


まとめ

 本コラムでご紹介したような意識を持って「比べないイベント」を学童クラブで実践していくことができれば、自分の好き・得意・興味を素直に表現できる子が増えたり、今まで「みんなと同じでなきゃ」と思っていた子が、自分のペースでやりたいことを選べるようになったりするかもしれません。

 また、他の子の違いを自然と受け入れられるようになり、「これはダメ」や「これは下手」ではなく、「それもいいね」や「そういうやり方もあるんだ」という柔軟で温かい視点が育つことも期待できます。

 行事シーズンの今こそ、学童でできる「比べないイベント」の形をゆっくりと考えてみませんか?こどもたちの心がふっと軽くなり、学童クラブという場所が今よりもさらに過ごしやすく心地の良い居場所になっていくはずです。

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