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冬休み明けに増える「学童に行きたくない」こどもへの関わり方とNG対応について
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冬休みが明けて、久しぶりにこどもたちの明るく元気な声が学童保育所に戻ってくる賑やかな時期。冬休みにどこで何をして過ごしたのか、楽しそうに教えてくれるこどもたちがいる一方で、「今日は学童に行きたくなかった。おうちにいたかった」などと小さな声で呟く子や、朝起きられずに遅刻をしてくる子、明確に言葉にはしないけれど暗い顔や不貞腐れたような顔をしている子の姿も目にするのではないでしょうか。
学童保育所で働く支援員として、もしくはこどもの保護者として、「どう声をかけたらいいのだろう。無理に学童保育所で過ごさせても良いのだろうか」と迷う場面もあることと思います。こどもの行きたくない気持ちをそのまま受け止めるべきなのか、それとも背中を押した方がいいのか…非常に悩ましい問題ですよね。
本コラムでは、冬休み明けに「学童に行きたくない」という子が増える理由と、そのようなこどもたちの心に寄り添う関わり方、そして出来れば避けたいNG対応について詳しくまとめていきます。
冬休み明けに学童に行きたくなくなる理由とは?
「学童に行きたくない」というこどもの言葉を耳にしたら、まず「何か嫌なことがあったのかな。誰かと喧嘩したのかな」と心配になるかもしれませんが、必ずしも特別なトラブルが学童へ行きたくなくなる原因とは限りません。冬休みという長い休暇期間を過ごしたことで、心と体に疲れが出ているという場合もあります。
冬休み中、多くのこどもたちは夜更かしをしたり、いつもよりゆっくり起きたり、好きなことを好きなタイミングで楽しんだりと、普段学童保育所に通っている時とは違った時間の過ごし方をしているはずです。そんな生活リズムから、急に学校や学童保育所がある日常へ戻ることは、大人が想像する以上にエネルギーとやる気を使うもの。眠気やだるさが抜けず、身体的な「しんどい」という感覚が「行きたくない」という言葉に変わって表れることも少なくないのです。
また、家庭で過ごす時間が長くなることで大好きな家族との距離が縮まり「甘えたい!」という感覚が強まる子もいます。いつもより一緒にいられる時間が長くあったからこそ、冬休み明けに家族と離れて学童保育所に通う生活に戻ることに強い抵抗を感じてしまう可能性があるのです。このような「おうちにいたい、ママと一緒がいい」といった行きしぶりの反応は、特に低学年の子に多く見られます。
一方、3年生以上の子たちに多い行きしぶりの要因としては「成長に伴う心境の変化」というのも挙げられるでしょう。学年が上がるにつれて、「もっと自由に過ごしたい」や「学童のこどもっぽい活動が嫌」、「友だちと外で遊びたい」と感じるようになる子も増えてきます。冬休みに自由な自分の時間を過ごしたことをきっかけに「学童に行かない生活の方が楽しくて楽だ」という感情の変化に気がつく場合もしばしばあるのです。
もちろん、そうした心身の疲れや環境・心境の変化だけでなく、学童保育所内での出来事が影響している場合もあります。友だちに遊びを断られたこと、友達の何気ない一言に傷ついたこと、支援員に注意をされた経験などが心のどこかに引っかかっていることもあるでしょう。冬休みに突入する直前に嫌なことがあった場合、それがどんどん嫌な思い出として膨れ上がり、どうしようもなく不安になってしまうことがあるのです。大人にとっては些細なことでも、こどもにとっては「もう学童には行きたくない」と思うほどの大きな出来事になることもあります。
このように「行きたくない」という気持ちの背景には、その子なりの理由が必ずあります。こどもたちと関わる大人としてまず大切なのは、「行きたくない」という感情を単なる「わがまま」や「甘え」と決めつけることなく、その子の今の状態と心境にしっかりと目を向けることです。
学童に行きたくないこどもへの適切な関わり方とは?
①「行きたくない理由」より「行きたくない気持ち」に目を向けること。
目の前のこどもが「学童に行きたくない (来たくなかった) 」と口にしたとき、つい「どうして?」と理由を聞きたくなりますよね。上述のとおり、その子が何故行きたくないと思っているのかを知ることは適切な支援につながるため、重要なことです。しかし「行きたくない理由」を言葉にするハードルが高い子が非常に多いのが現実。無理に「行きたくない理由」を問い詰めることで、その子を余計に追い詰めてしまう可能性があるため注意が必要です。
そんなときは「今どんな気持ちなのかな?」や「ここにいるの、しんどい?」のような、「行きたくない理由」よりも「行きたくない気持ち」に目を向けて、寄り添うような声かけをするのがオススメです。わかりやすい反応や答えがすぐに返ってこなくても全く問題ありません。沈黙の時間も大切にしながら「話したくなったら教えてね。いつでも聞くよ」と伝えておくことで、こどもは「無理に話さなくていいんだ」と思えるはずです。
②「行きたくない理由」が聞き出せたら、ひとまず受容すること。
もし、学童保育所に行きたくない理由や気持ちを問いかけた結果、「学童つまらないんだもん」などといった言葉が返ってきたら、つい「そんなこと言わないで」と言い返したくなるかもしれません。しかしその言葉は、こどもたちがせっかく伝えてくれた気持ちを否定する形になってしまうためグッと堪えたいところです。「そっか、あなたはそう感じたんだね」や「嫌だったんだね」と、評価を加えずに言われた言葉をそのまま返すだけで十分。大人に「自分の想いを聞いてもらえた」という感覚は、こどもにとって大きな安心材料となります。
「こんな嫌なことがあって…」と過去の出来事を話してくれた場合には気持ちの整理がつくまで丁寧にヒアリングをし、これからどうしていきたいのかを相談する必要があります。相手と話し合いの時間を設けるのか、どうすれば嫌だった気持ちを消化できるのか、ストレスをどう発散するのか…。「自分の困りごとを一緒に考えてくれる大人が学童保育所にいる」と思ってもらうことが出来れば、「学童は嫌」というネガティブな気持ちに変化が起きるかもしれません。案外、モヤモヤしていた感情を言葉にできただけでスッキリとする子もいるはずです。
学童に行きたくないこどもへのNG対応とは?
①無理をさせたり、プレッシャーをかけたりすること。
「学童に行きたくない」という気持ちを抱えている子に対して、必要以上に焦らせたりプレッシャーをかけたりする行動は避けましょう。「どうしていきたくないの?言ってくれないと助けられないよ」といったセリフは、こどものことを考えているように見えて、脅しのような強い言葉に聞こえてしまう可能性もあるため注意が必要です。また、「行きたくなかった」という想いを抱えながら学童保育所に来ている子たちに対して、無理にいつも通り過ごさせる必要もありません。その子が好きな遊びから始めてみたり、安心できる友だちや支援員と一緒にゆっくりと過ごしたり、集団での活動には短時間だけ参加してみたりと、その子の今の状態に合わせた柔軟な関わり方を意識しましょう。保護者の場合、こどもの様子を見て時には休ませることも必要な対応です。
②他人と比較をすること。
「○○くんは元気に学童で過ごしているよ」や「みんな楽しそうだよ」などといった他人の状況を引き合いに出す言葉は、その子を励ますつもりでも逆効果になることがあります。誰かと比べられることで、「あの子はできていることが自分はできていない。自分ってダメな子なんだ」と感じてしまう子もおり、自己肯定感を下げる危険性を孕んでいるのです。当然のことながら、こどもたち一人ひとり感じ方もペースも違いますので、その子自身に目を向ける姿勢を忘れないことが大切です。
③根拠のない曖昧な励ましの言葉をかけること。
最後に、「そのくらい大丈夫だよ」と適当に流しているようにも聞こえる曖昧な励ましは避けましょう。大人から見ると「大したことのないトラブル」と感じたり「時間が解決するもの」と思えたりすることも多くありますが、当事者であるこどもにとっては本当につらく苦しんでいるはず。大人による根拠のない「大丈夫」や「どうにかなるよ」といったセリフによって、こどもたちは「自分の気持ちを理解してもらえない」とさらに気持ちを閉ざしてしまうこともあります。こどもの今感じている気持ちに真摯に向き合う姿勢が信頼関係につながっていきます。
まとめ
冬休み明けの「学童に行きたくない」という気持ちは、決して一部の特別な子だけが抱えるものではなく、誰もが感じうる自然な感情です。
こどもに関わる大人として出来ることは、その「行きたくない」という理由を決めつけたり無理に聞き出したりすることなく、その子の今の気持ちに寄り添うこと。すぐに解決することができなくても構いません。「学童保育所には自分のことを理解しようとしてくれる大人がいる」と感じてもらえること自体が、大切なステップだからです。
こどもたちの「行きたくない」という気持ちを尊重することで、保護者は仕事に支障が出ることもあり、困る場面もあるかもしれません。しかし、こどもたちの気持ちが整うまでじっくりと待つ時間は、何物にも替えがたい重要なものです。
支援員と保護者が密に連携を図りながら、焦らず、比べず、その子のペースを信じて関わっていくことが、こどもたちの心を守ることに繋がります。
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